12/10〜18　GRカフェ「古民家大学半日ゼミ@今井町」（オトナの遠足）から得た開催・運営留意点

（写真:ももや2階客間）

【地方開催における論点整理〜開催に際し、押さえるべきポイント】

1.何をもってのGRカフェか?!
・GR理念の具現化促進と醸成のための”場”か？
・開催におけるテーマ設定の有無（例:歴史ある古民家群探索と大和の美味しいもの体験の”オトナの遠足”か、メンバー間の懇親メインのオフ会目的になっていないか？）
・GRイベント（オフ会含め）、GRのリアルセミナー、GRツアーへの布石と連携
・発生は共和国（＝ルーム）か都道府県共和国、メンバー個人そして本部自ら？
・子ども食堂や地元シニアの憩いの場、物流拠点、災害避難所、地産地消（ジモティ）、環境保護活動、能力バンクの実施拠点等への発展可能性は？（そもそも、多活動に適したスペースか？人的資源と経営資源の問題、子どもやシニアの行動範囲の狭さ、行政との棲み分けと協業）

2.GRカフェの価値
・地域資源（地域の強み）の掘り起こしと地域活性化
・技術、ブランド、食品、農産物、観光資源、コンテンツ
・グロ共の情報発信力→認知度アップ
（但し、開催告知は4週間前が理想）
・潜在顧客開拓→リピーター→ファン→関係人口の創出
・朝活参加者である約200人は、イノベーターかつインフルエンサーで優良顧客
※（イノベーター理論）「イノベーター（新規採用者）」2.5%「アーリーアダプター（初期採用者）」13.5%。朝活参加者はイノベーター（根拠:7,000人×2.5％≒200人）
・カフェ側からしたら、ビジネスとしての売上・利益期待より、開催前後の良質なインフルエンサーの関連投稿による宣伝広告費として期待できる。

3.GRカフェ形態と運営の吟味
・常設か定期開設か単発か？
・既存カフェ、新規カフェ、公共施設時間貸し、あるいは個人の民家利用（オフ会の参加費扱い）？
・開催スペースは全館貸し切りか、一部屋等部分貸し切りか、区割りなしか？
・本部直営店、フランチャイズ、提携店
・メンバー限定か半オープン（紹介で参加可能等）かフルオープン（誰でも参加可能）か？
・定員は何人で、その根拠は？（新型コロナ対応での減席含む）
・グローバリゼーションかローカリゼーションか?!
他県のよいものをGRカフェで紹介したいが、プライオリティとしては、地域創生を旗印にすると、まずどこにもない地元のものと考えるはず。他県ものを多くすると、どこに来たか焦点がぼける可能性がある。全国のカフェが画一的な商材になることを望むか？一方、参加者も、訪問県のものをまずは味わいたい、触れてみたいはず。また、スペースやキャパの関係で、そもそも他県のものを置けない、ストックできない可能性もあり、またリスクを背負って購入すべきかも留意点。
・立地はどこか？
「少人数（最大６名）、複数回（5回）」で開催した橿原市の立地は、人口13万人の地方都市ながら、近鉄で大阪・京都に1時間の通勤通学圏内。関東の感覚で言うと、八王子、大宮、千葉、辻堂・鎌倉、あるいは宇都宮・水戸・高崎での開催のイメージか？

・他県のものの設置は、購入（卸価格？）か委託販売か？
・全国のGRカフェを中継でつなぐ試みは可能か？
（店では50インチサイズのテレビを設置しても、画面が小さ過ぎないか。スマホのほうがまだ見やすいか？）

4.GRカフェ開催責任
・開催に対して、誰が遵法遵守し、事故・事件に対し、法的責任（営業許可、食品衛生責任者等）を持つか？基本は主催者責任。カフェ事業者が食中毒や異物混入、新型コロナのクラスターを発生させると、営業停止・禁止等ビジネスとして致命的で、慎重な運営を余儀なくされる。個人開催なら、医療費負担程度で許されるかもしれない。但し、手軽さを引き換えに信頼性に欠けるリスクも。

・特に、企画者と事業者が一致しない場合は、責任の所在の確認が必要
・新型コロナ感染防止のために、検温、手指消毒、換気、ソーシャルディスタンス、マスク会食の標準装備

※レストランや定食屋、居酒屋といった食事がメインの業態をはじめとして、喫茶店やバーにいたるまで、一般的な飲食店のほとんどで営業許可が必要。
期間限定のポップストアでも同様で、食品を販売する場合には食品営業許可の取得が義務付けられている。
フード・ドリンクを提供するイベントも「飲食店の営業」に該当するケースがあり、地元の保健所に確認する必要がある。

5.GRカフェ事業の利益の多寡
これに関しては、カフェ自体は構造的に収益性低く、あまり議論にならないかも。しかも、価格が高いと思ったら、参加申込しないだけで済む。

【参考:GR都道府県共和国理念】
① グローバル共和国の理念の一つ『個人や地方からはじまる社会づくりを日本から世界中に広めます』を実務レベルでサポートするのが都道府県共和国の位置付けです
② グローバル共和国の行動指針の一つ『あなたが主役ー自らが積極的に貢献する』を実践して、全国にネットワークを広げましょう
③ 都道府県共和国は全国ネットワークを活用して、別途定めた各種活動のプラットフォームとして機能します
④ 都道府県共和国に参加している方は「ローカリゼーション」と「グローバリゼーション」両方の意識を持つことで、各地域の発展に寄与しつつも、良いムーブメントは全国レベルや世界レベルに拡散させていきます。

基礎データ:12/10〜18 GRカフェ「古民家大学半日ゼミ@今井町」（オトナの遠足）総括資料

実施目的:東京・大阪の大都市ではなく、地方都市（橿原市、13万人）でのGRカフェの在り方を探るため、「少人数（最大6名）、多数回開催（5回）」で開催。

概要:古民家群の町歩き（2時間）、ランチ・お茶（1時間）の合計3時間。また、参加者には13〜17時は150メートル先の「ももや別館」（約95㎡、下写真）を休憩・談話スペースに無料開放。

開催日・参加人数:12/10（金）・3名、 12/11 （土）6名、12/16（木） 5名、12/17 （金）6名、12/18（土）6名＝合計26名参加（内訳:女性19名、男性7名。21人が”朝活出席者”と推定）

開催時間:10〜13時（休憩会場の別館は17時まで）

会場:今井町見晴らし茶屋「ももや」（https://momoya.org/）、今井町（東西600メートル✕310メートル）
※「ももや」（2階45㎡、通常:12名席）は完全貸し切り（9:30〜13:00）

参加料金:お一人様1,500円
※内訳:にゅうめん（定価800円）、和紅茶・だったんそば茶・コーヒー（お菓子付）から選択（定価500円）、紙半今井町資料館（団体割引料金適用200円）、資料・案内無償、「ももや別館」13〜17時休憩・談話スペース無償提供

【参加者アンケート結果】（匿名）
1.今回は「古民家大学」共和国というルーム発生で、奈良県GRのご協力で実現できましたが、全般的な感想は？
・最高に楽しいおもてなし体験
・出会いの場として素敵な場所
・今井町の町歩きは最高。様々な内容で楽しく、アッという間の時間だった。
・素敵、素晴らしい、嬉しい、楽しい。そんな感想しか思い浮かびません。新たな発見。コンパクトで、歴史的、景観的、文化的、教育的、人情的に全てに揃っており、今井町最高!!
・到着した時の出会いの感動から始まり、今井町の散策、500年の歴史を知りながらの交流、美味しい食事で、とてもよい時間が過ごせました。
・今井町の貴重な歴史と資産に触れることができて、とても学びの会でした。
・実際に参加して本当に良かった。体験は全ての学び。今井町から日本の歴史を考えながら、優しく語っていただくことの心地よさを実感しました。
・歴史あるのどかな町並みを歩き、心が癒やされた。丁寧でわかりやすい説明で知らなかった歴史も知ることができ、嬉しく楽しいひとときでした。カフェでの出会いも縁もつながり、参加できて良かったです。お食事もおいしくいただきました。
・今井町の良さがわかり、参加して良かったです。日本の文化を残して伝えていくことが大切だと感じました。
・ホスピタリティ溢れるもてなしで、とても充実した素敵な時間を過ごせました。町をあらためてゆっくり巡りたくなりました。
・素晴らしいの一言。
・奈良県GRに感謝です。
・自分だけなら通り過ごしてしまうところや歴史を教えていただけ、充実した時間になりました。
・少人数の開催で、ゆっくり町の景色を見ながら、今井町の歴史を感じることができて良かったです。

2.今回のGRカフェの改善点は（日時、規模感、参加料金等）？
・週末の参加はしにくく、平日開催は歓迎。
・参加料金は安すぎる。
・ガイド料だけでも安い。美味しいランチとお茶等、一つ一つの想いが込められた言葉。
・参加費が安くて申し訳ないです。
・時間、規模共によく考えて下さっていて、最高です。
・ちょうど、良かったです。
・古民家大学共和国のリアルな学びの場として、テーマを決めて講座を開催されたらよいなあと思いました。プラスGRカフェで食事も味わえることが他にない魅力だと思います。定期的に開催される事を期待します。
・町を散策するちょうどよい規模で、本当に楽しい時間でした。
・最初はグロ共メンバーオンリーからのスタートでよいのではと思います。
・時間も規模も参加料金もちょうどです。半日ゼミが付いているので、お得感があります。
・ちょうどよい時間配分でした。
・町巡りの時間が少なかったかもしれません。料金的にはスゴくお得感がありました。
・古民家の歴史や重厚感、背景をたくさん感じられ感動と、奈良について深く知るきっかけになりました。
・素晴らしい企画。説明もわかりやすく、町並みも美しく、またゆっくり見たいと思いました。６人という設定もよいと思います。参加した方々と交流できて良かったです。
・少し駆け足ですが、町を周り、ランチというのがよいなと思いました。参加料はクリスさんの説明や負担をこれからは考慮されてもよいかと。
・時間帯はランチで終了で最高！ソーシャルディスタンスを考慮しての6名もバッチリです。参加料金が安すぎると思います。
・こんなに古い町並みがしっかり保存されているのを見て、感動しました。是非GRを通じて、この素晴らしい財産をPRしていけたらいいですね！
・もう少しゆっくり周りたかった。時間的に大変かもしれませんが。
・すごく勉強になることが多く、時間的にもっと長く見られたら、より良かったと思います。
・10人前後の人数がちょうどよい感じがします。日時については桜や紅葉のタイミングでさらに人気が出るのでは。
・見学用の散策時間をもう１時間増やせたら、いいかも。参加料は倍払います。
・すごくおなかが一杯になった贅沢な時間。半日ではもったいない。伊右衛門（旧米谷家）のボランティアの方が、団体は（ソーシャルディスタンスの関係で）先に言ってもらえると助かるとのことでした。
・ちょうどよい。スケジュールもきめ細かく、バッチリ。
・全くないです。とても素晴らしいゼミでした。
・日時、参加料共、大変満足です。規模も声もしっかり聴こえ良かったです。コロナが落ち着いたら、もっと人数は増やせ、会えるメンバーも増えますね。
・お安い。
・少人数、多数回開催が良かった。平日もタイミング合えば参加したい。料金はリーズナブル。

3.全国のGRカフェは進行中ですが、参加してみてのご自身が考えられる「GRカフェ」の在り方は？
・メンバーとメンバー以外の人の交流は少し難しいかも。
・お話、美味しいものでほっこり。奈良GR最高。
・のんびりまったり系、学び系、食べる系等
コンセプト別にするのはいかが？
・GRカフェは地域の魅力（人や場）に触れる機会。ご当地GRカフェで地域の人達との交流もできることも理想像。オンラインでもつながり、全国一斉に開催するGRカフェもイメージしている。
・リアルに会える場所。オンライン・オフラインでつながり、各地方とも交流できること。
・初めてリアルであった方々ですが、そんな気がしないのが、メンバーオンリーにする利点かもしれません。
・他の都道府県のいいものや推しをメニューに入れるのはいいかも。
・理想は「ももや」さんみたいに”場”があればいいなと。そこで話せて食も入れて、泊まるもあるといいなと。モノ、コト、イベントなどできるといいな・・・。
・全国展開して、全国の素晴らしいところや名所を訪問したいです。
・グロ共オンリーもいいし、混合も当然ありだと!常設が県に一つくらいほしいですね。
・学び、交流ができるところ。
・グロ共オンリーがリアルに会う会と、一般に向けてのGRカフェは分けたほうがよい。
・メンバー同士の交流や今回のように、町を勉強できるツアーみたいなものがあればよいと思います。
・まったりできる（空間？）
・メンバーオンリーだと広がりがなくなりますが、しばらくオンリーで、様子を見て、何かのカルチャー教室などやっていけたらというのが理想です。

4.その他
・ご夫妻のおもてなしに感謝。
・安すぎます。
・本日は本当に良い1日をありがとうございました。
・今井町の町探索、とてもよかったです。ももや別館をGRカフェとして使えるようにしても楽しい。
・今日は楽しいひとときと、美味しいお食事をありがとうございました。
・クリスさんの話をもっと聞きたかったです。
・また家族や友達を連れてきたいです！
・応援しています!
・コロナ感染対策もバッチリで安心できました。食事も美味しかったです。
・非日常を味わうはもっとPRしてもよいのでは？
・また今井町に来ます!!
・皆様のお人が素敵なことが一番の価値だと思います。ありがとうございました。

【参考:告知ページ】
12/10〜18 GRカフェ「古民家大学半日ゼミ@今井町〜歴史的町並み散歩&交流会」事前申込制（各日最大6名様） https://momoya.org/news/12-3%ef%bc%88%e9%87%91%ef%bc%89%e4%bb%96%e3%80%80gr%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7%e3%80%8c%e5%8f%a4%e6%b0%91%e5%ae%b6%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e5%8d%8a%e6%97%a5%e3%82%bc%e3%83%9f%e4%bb%8a%e4%ba%95%e7%94%ba/

（ももや別館）