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  3. 3/24(木) 22:00〜23:00 🌍クラハ第34回「古民家大学」事前資料〜静岡から奈良の古民家再生事業

3/24(木) 22:00〜23:00 🌍クラハ第34回「古民家大学」事前資料〜静岡から奈良の古民家再生事業

(写真:春先に咲く椿の品種「桃太郎」)

3/24(木) 22:00〜23:00 🌍クラハ第34回「古民家大学」事前資料〜静岡から奈良の古民家再生事業

【今週の古民家関連ニュース】
1.古民家工房(茨城県)〜100年後、自分の家が「歴史」になるのサイト
◎業務内容
・石場建て、足固め、貫、差し物、土壁、自然乾燥の木材による伝統構法
・伝統的構法民家の新築・増改築工事
・上記に伴う設計・工事管理

◎仕事への想い
「日本はつい最近までの千数百年、生活に必要なものは
自然からの恩恵としてありがたく頂き、感謝することが当たり前でした。
同じように家づくりにおいても、自然素材と熟練の職人の手により時間をかけて大切につくられる事が当たり前でした。

しかし現代では、無農薬野菜を作る(食べる)為に苦労をしたり、自然素材を手に入れるために高いお金を支払ったり・・・、本末転倒と言わんばかりの事が平気に起きています。
古(イニシエ)の職人達が当り前に造ってきたもの、やってきた事、文明や科学が発達した今日では、昔の人から考えれば極々当り前の事が困難になってきています。」

◎伝統工法とは?
日本に古来から伝わる建築工法で、木組みの柔軟性を活かした木造工法。
金物を使わず、木の特性を活かす仕口、継ぎ手でくみ上げられています。
柱の結合部がボルトなどの金物で固定されていないため、地震の際には建物全体がわずかに変形し、揺れを吸収・受け流す働きを可能としている。

揺れのエネルギーを受け流す構造ので、揺れの際には壁にひびが入ったり、瓦が崩落したりするが、反面、揺れのエネルギーが許容範囲を超えた場合も、建物は大きく歪む物の、全壊倒壊しにくい特徴がある。

◎在来工法とは?
建築基準法制定時に、昔からの伝統工法に対し戦後復興期以降の西洋建築のシンプルかつ大量生産の思想を取り入れた木造構造を在来工法と総称している。

伝統工法との大きな違いは、
結合部にボルトやプレートなどの金物を使い、柱同士を強固に固定していること。

2.古民家と建築基準法の論点「歴史的建築物の活用に向けた条例整備ガイドライン」策定(H30年)
◎国交省サイト
【ガイドライン策定の背景】
・魅力ある観光まちづくりに向けて、古民家等の歴史的建築物を活用する際、現行の建築基準への適合が難しい場合が存在
・国宝等の歴史的建築物については建築基準法の適用除外規定が設けられているが、それ以外の歴史的建築物を適用除外とするためには、地方公共団体において文化財保護法に基づく条例又は独自の条例を定める必要
・これまでに独自条例を制定したのは11団体に限られていて、建築物の歴史的、文化的な価値を維持した上で、どの程度の安全性を確保すべきかの技術的な拠り所がなく、条例の制定が進まない状況
・国土交通省では、地方公共団体、建築の専門家、国からなる「歴史的建築物の活用促進に向けた建築基準に関する連絡会議」を設置し、検討を実施
◎ガイドライン

◎国交省「歴史的建築物の活用促進に向けた建築基準に関する連絡会議」

◎古民家は「既存不適格」住宅か?!
新耐震基準ができる1980年以前に建てられた家に住んでいたら、「既存不適格」。「既存不適格」とは、その建物が建てられた当時には合法であっても、今の法律に照らしあわせれば基準を満たしていない、という状態をさす。世の中の8割の家は「既存不適格」だといわれる。「既存不適格」は、今ある法律を守らずに建てる「違法建築」ではない。
1950年の建築基準法制定当時は「早く安く建てるために安普請な家が広まっては困るから」という最低基準としてできたのが、建築基準法だった。地震の被害に対応してその基準がより堅牢に、変形しないような建物寄りへとシフトしてきているため、「昔の基準はクリアしているけれど、今の基準だとダメ」という「既存不適格」建物がたくさん生まれる結果となった。

大地震が起きるたびに、基準法はさまざまな点において、規制を強めている。たとえば、基礎。基準法制定当時は、底板無し、鉄筋無しのコンクリートでよかった。それが、昭和35年には底板付きにしなければならなくなり、昭和55年には鉄筋入りでなければならなくなった。さらに平成12年には基礎の大きさや鉄筋の太さなど寸法までが法制化されるようになった。

筋交いを入れた耐力壁の必要量も、年々増え、しかも、壁のバランスのよい配置まで考えるように求められるようになる。また、筋交いを止める方法も、基準法制定当時はかすがいで止めるだけでよかったのが、釘打ちの本数や土台に止める場合の金物の用い方なども決められ、筋交いが「よりしっかり、堅固に」入るようにすることが求められる。制定当時の「最低基準」では、地震には耐えられない。より地震に耐えるようになるために、もっとかたく、しっかりとつくるように具体的に規制を強めていく中で「今の基準には及ばない」既存不適格建物がたくさんでてくる。

そして、築70年以上前の多くの古民家は、伝統構法であり、今の基準法でははかれないから、基本「既存不適格」となる。

伝統構法の古民家は建築基準法のものさしが厳しくなっなったからというより、もともと建築基準法のものさしで「測れないから」不適格となっている。基準法には制定当初から「基礎の上に土台を載せ、その上に家を建てなさい」「筋交いを入れた耐力壁をつくりなさい」という基準がある。コンクリート基礎がなく、玉石の上に柱を載せただけの「石場立て」の家や、開口部が多くて耐力壁として数えることのできる要素が少ないような古民家は、基準法制定時からすでに「既存不適格」となってしまう。

世界最古の木造建築である法隆寺も、昔から残っている武家屋敷も、京都や奈良の町家も、築50年以上を経てなおしっかりと建っている「昔からある家」も、みんな「既存不適格」。『何百年と続いてきた伝統的な木造の技術は、戦後の木造軽視の風潮を乗り越えてかろうじて残ってきた。今まだ知っている人がいるうちに次代に継承しなければ、将来にわたり引き継がれない。国がつくった法律に取り残されてきたために風前の灯となっている日本の住文化。それが無惨な「既存不適格住宅」とはあまりに残念だ。

【今週のゲスト】
「みぃちゃん」のインスタグラム
https://instagram.com/miichan101_ch?utm_medium=copy_link

【ビフォー、2021年春の状態】


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